○温風の発生は何で行っているのか?

温風低圧塗装機ではエアーを専用のブロアーにより発生させています。
温風エアーは、ブロアー内の多段式ファンがが毎分2万回転以上の高速回転運動を起こす際に生じる摩擦熱(機械軸・空気摩擦)がエアーを暖める発生源となります。

ファン内部は、この摩擦熱がエアー温度を100℃以上に上昇させ、エアー内の水分を除去します。
そして、ファンより排出されたエアーは、ホースで熱を自然放出させてることで、スプレーガン先端からは、吸込み温度(外気温度)より15〜20℃※1暖かい温風が放出されます。
このエアーは、非圧縮空気ですので、冷却による水分の発生は無く、常に水分をカットした温風のドライエアーで塗装が出来るのです。

よく勘違いされているのが、ドライヤーのような「ヒーター等で暖められる熱風」ですが、温風低圧塗装機の場合はヒーターは搭載しておりません。

※1:エアーホースの長さにより温度は異なります。

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○温風低圧塗装機とは低圧スプレーガンとどのように違うのか?

まずは、エアーの圧力が大きく異なります。
コンプレッサーを使用する低圧スプレーガンの圧力は約0.07MPa(0.7kgf/cm2)ですが、温風低圧塗装機は最大で0.04MPa(0.4kgf/cm2)という超低圧エアーを用います。
圧力を下げた場合、霧化が悪くなるため温風低圧塗装では、毎分2,000Lを越えるの「エアーの量」で塗料の霧化を促進する事となります。

ABAC温風低圧塗装機の場合、約0.2〜0.4kgf/cm2の圧力に対し、毎分2,500L程のエアー量を用い、塗料の霧化を行います。
スプレーガン先端のエアーキャップに注目した場合、低圧スプレーガンより大きなエアー用の穴が開いております。
これは、大量の低圧エアーをノズル先端から吐出される材料と多く混合(衝突)させる事で粒子の拡散率を上げ、塗料霧化を促進させているからです。

また、この『エアー量』と『低圧力』が塗装面に付着する率(塗着効率)に大きく影響をします。
一般的に塗装ガン先端と塗装面の間には空気の壁(空気層)が存在します。圧力で噴霧するスプレーガンでは、空気層を通過するスピードが早く塗装面に到着する前で塗料粒子の表面が乾き、速度の落ちた粒子は塗装面でハネ返る現象が起きてしまいます。これが、飛散の大きな要因です。
温風低圧塗装機では、上記の通り、@低圧の霧化+A大量の空気による拡散で塗料を粒子化させ、超低圧という遅い速度で、エアーの流れ(エアーカーテン)に守られながら塗装面に到着します。
しかも付着した塗料粒子をさらに大量のエアーで押し付ける効果(エアーブラッシング効果)によりハネ返りを防ぎ、周囲へ飛散しようとする塗料粒子をを抑えることが出来ます。
この効果が約90%の塗着効率を実現し、低圧塗装ながら、中高圧スプレーガンに負けないほどの「色付き」で塗装が行えるのです。

よく、展示会等で「低圧スプレーガンと同じ」とか「うちの低圧ガンは温風低圧と同じです」とか聞きますが、これは大きな間違いです。

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○どうして飛散が少ないのか?


上記でもご説明致しましたが、当社の平均塗着効率は約90%です。
この数値は、理想的な環境で測定された数値では無く実際の作業を行った際に測定された数値である事をご認識ください。

当社の塗装機では、他に比べエアー量が多く、非常に厚いエアーカーテンの中を霧化した塗料粒子が塗装面まで飛散する事無く到達します。
そして大量の空気により、塗装面に到着した塗料粒子のハネ返りを防止しております。
周囲に飛散する1割程度のミストは、エアーカーテンに混入したものです。

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○ABAC社温風低圧塗装機は他とどのように違うのか?


まず、お気付きになられるのが、「エアーホースの太さ」だと思います。
当社の塗装機では他社にくらべ、太い設計になっております。実はこれが塗装時の「塗着効率」と「霧の細かさ(肌の作りやすさ)」に大きく影響されてます。
他社を含め温風低圧塗装機(HVLP塗装機)は当社と同様に吹付けエアーにブロアーを用います。
ブロアーから発生するエアーはコンプレッサーエアーとは異なり、管路の抵抗に弱く空気経路を狭くすれば、それだけ多くの損失が生じ、出力の小さなファンでは、その圧力・風量は半分以下まで減圧されます。

そのため、ブロアーからスプレーガンまでの圧力・風量損失を極力少なくした理想的な設計は、塗装ガンの先端まで空気経路を太くする必要があります。
当社の塗装機は、ブロアー吐出口から、塗装ガン先端までほど同じ内径で設計されております。
これは、上記の通りブロアーから発生するエアー圧/量の損失を抑え、塗装ガン先端のフロースリーブ(エアーキャップ)に伝える事で、エアー圧力・量の双方の力を効率良く送り、常に塗料を良い状態で霧化する目的です。

もちろん、このエアーホースの太さは塗着効率にも大きく影響しています。
エアーホースを細くするということは風量が下がり、エアースピードが上がります。
この速度が速ければ塗料粒が塗装面からハネ返りやすく、空気量が少なければ、粒子は簡単に周囲へ飛散しまいます。
また凹凸部に塗装する場合もこのエアースピードにより入り隅の奥まで塗料が到達しなくなります。

また、上カップ+圧送式の設計しかないのは、フロースリーブ(エアーキャップ)の穴径が大きく、ガン先で吸引力を発生させていないからです。
そもそも低圧という力の無い空気では、コンプレッサーを用いたスプレーガンより力のある吸引力を発生させる事は不可能となります。
低圧塗装機の多くが、ラッカー、ウレタン等の粘度の薄い材料では吐出量が確保できるが、水性、油性塗料の粘度のある材料が難しいと思われています。
しかし、当社の方式で行えば、常に一定の連続した(息継ぎの無い)圧力がカップ内部にかける事が可能になりますので、使用する塗料粘度の幅も広く、常に一定の吐出量を確保できます。

また、フロースリーブの穴径が大きいということは、万が一フロースリーブに塗料が付着してもある程度は性能が変わらないという事です。
平米数の多い現場や、箱内部等のミストがスプレーガンに多くかかる環境でも、お使い頂けます。

それでも納得のいかないお客様は、実際の比較をお勧めします。
当社の営業スタッフがデモ機を持参して、ご覧頂けます。

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○機種の違いと使い分けは?

当社では、大きく4つの機種をご用意させて頂いております。
「SG-91温風低圧塗装機」
こちらの機種は、主に出張や外出で塗装されるお客様に多く使われております。塗装ガンはチロン時代からの基本設計であるブリード式(引金を戻してもガン先からはエアーが放出される方式)です。
ラッカー、ウレタン塗装をはじめ、水性・油性塗料まで幅広くお使い頂けます。
とても利便性が高い機種で、オプションを使えば、屋根・床塗装や外壁の補修塗装にも簡単にお使い頂けます。
キャリングベルトは標準で付属しておりますので、ブロアーを持っての移動塗装にもお使い頂けます。

「SG-2000温風低圧塗装機」
SG-91温風低圧塗装機のブロアー能力を約1.6倍にし、塗装ガンをノンブリード方式にした機種です。
もちろん霧化性能が上がっておりますので、お仕事の中心が速乾型のウレタン仕上げ(鏡面仕上)等の高級塗装が中心の場合はこちらの機種の方が、塗装も楽に行えます。
樹脂ボディーで軽量設計ではございますが、定置置き型となります。

「SG-2500温風低圧塗装機」
SGシリーズの高位機種で、今までのブロアーから出される騒音を抑えた省音型となります。
マンションやホテル等の音が気になる場所でも安心してお使い頂けます。
また、性能はSG-2000よりパワーアップしており、高級仕上塗装はもちろん、光触媒等の高機能コーティイング塗装や車両上塗塗装にもお使い頂けます。

「SG-3001温風低圧塗装機」
SGシリーズの最高機種で、大型の多段ファンを搭載した機種になります。
絶対風量を増やすことで、エアートルクを上昇させ、優れた霧化性能を実現した機種となります。
本体重量が16kgと定置型となりますので、車両・木工・家具等の高級仕上塗装や、高機能コーティイングにお使い頂けます。

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○塗料圧送機器(塗料タンク、エアレス機器との接続)は出来るの?
オプション品の「自在継手」もしくは「SSSアタッチメント」を使用することで、圧送機器の塗料ホース(1/4”)との接続が出来ます。

接続できる圧送機器:
○塗料タンク:
減圧弁で吐出圧力を調整していただければ、問題なく使用が可能です。但し、塗料粘度が高い場合は、塗料ホースに残圧が残りやすい為、吹き始めに多少塗料の吐出量が多くなる場合があります。
△ダイアフラム式エアレスポンプ:
材料を容器に戻すリターン経路があり、しかもそのバルブが吐出量の調整が出来る機種のみ使用が可能です。
(バルブがON/OFFのみの切り替えの場合は別途絞り弁を追加する必要があります。)
塗料ホースの長さにもよりますが、圧力を最低付近に調整して使用が可能です。
但し、アキュムレーターホース等を併用しないとポンプ脈動によりパターンが安定しない場合があります。

×ピストン式高圧エアレスポンプ:
ポンプ吐出圧力が1MPa(10kgf/cm2)を超える機種は使用が出来ません。
これは塗装ガンが低圧設計となるので、塗装ガンが破損する可能性があるためです。

塗料圧送機器との接続に関しては『圧送機器の接続』ページで詳しくご説明致します。

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○オプション品の必要性は?

オプション品はお客様の使い勝手に適した商品をお勧めしています。
「これが無いから仕事が出来ない」という訳ではなく、「あれば便利な商品」としてご覧ください。
例1)屋根塗装の場合:
傾斜のあまりない屋根や床を塗装する場合、カップ式ハンドガンでは体勢がしゃがみこみ辛いものです。
「500mm延長ノズル」を用いれば、通常の姿勢で作業が出来ることや、SG-91ブロアーをお使いの場合は「キャリングハーネス」を用いれば移動しながらの塗装も楽に行えます。

例2)天井塗装やちょっと高い場所への塗装:
床より2.2〜3m程高い天井は、スプレーガンでは床に机や脚立等で足場を作る必要があるため、ローラー施工が多く行われています。しかし、スプレー施工が必要な場合には、足場を作り施工を行いますが、手間と時間がかかります。
「200mm延長ノズル」は、塗装ガン先端を20cm延長した仕様にできるため、戸建てやマンション等の天井施工であれば、手を伸ばすだけで床面よりの塗装が可能です。

例3)靴箱やオイルヒーター等の狭い部分の塗装:
スプレーガンではどうしても塗装ガンが入らない箱の中やオイルヒーターや雨戸の間には「300mm延長ノズル」で塗装が出来ます。
ヨーロッパでは「ラジエターノズル」と呼ばれるこのノズルは90度方向への塗装が出来るので、狭い部分専用のノズルとしてお使い頂けます。

例4)リシンやタイルの補修塗装であまり面積が無い場合:
外壁のヒビ割れ・壁塗装劣化に伴う補修や小面積のリシン・タイル補修塗装には「PN-5塗装ガン」がお使い頂けます。

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○温風が出ない

上記の「温風の発生は何で行っているのか」を参照頂けましたら、お判りとは思いますが、温風低圧塗装機の場合、モーターが回転すれば、自然に温風は発生してしまいます。
特に冬場に多い質問なのですが、エアー温度は計測すると外気温度が5度の場合で20度程度まで温度は上昇しています。
「暖かい」とか「熱い」と感じられないのは、エアーの流れがエアー温度よりも暖かい手の体温も同時に奪っている事が原因です。
ブロアーやブロアー側のエアーホースブラケットを触って頂けましたら、暖かいのは確認出来るかと思います。

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○塗料粒子が粗すぎる(ユズ肌等)

まず確認していただきたいのは、『風量コントロールが最大』になっているかどうかです。
温風低圧塗装機の場合、特殊塗装意外はほぼ風量は全開(MAX)で塗装を行います。
この状態で塗装肌が大きい場合は、塗料の希釈粘度を確認する必要があります。
温風低圧塗装機は乾燥した温風で塗装をするため、溶剤系の塗料の場合、溶剤の抜けが早くレべリングする前に、表面指触乾燥が終わってしまいます。
そのため、溶剤希釈をする場合は、標準より多めに希釈剤を入れるか、リターダー等を入れてて乾燥を遅くしてください。
(速乾型ウレタン塗料の場合は、シンナーの選択を塗装場の温度+15度で考えていただければ問題はございません)
あとは、肌の大きさに合わせたノズル口径を選択して頂ければ、問題なく塗装が出来るかと思います。

下記は参考ではございますが、ノズルの選定例です:
0.5mm:光触媒、コーティング剤(水のような粘度)、薬剤等
0.7mm:1液、2液ウレタン塗料(速乾型)の仕上塗装(車両等)
0.8mm:1液、2液ウレタン塗料(速乾型)の仕上塗装(車両等)
1.0mm:ウレタン塗料、ラッカー塗料の仕上(車両・木工)
1.2mm:ウレタン塗料、ラッカー塗料の仕上(建築・木工)
1.5mm:プラサフ等の中塗り、シャシーブラック
2.0mm:下塗り塗料、サンディングシーラー、水性塗料、シャシーブラック
2.5mm:水性塗料(建築)、油性塗料
3.0mm:フタル酸、油性塗料等


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